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Essence Festival 2013:Day 3(7/7)

Flag【Main Stage】
TGT
(Tyrese/Ginuwine/Tank)(8:00PM)
Janelle Monae(9:10PM)
Beyonce(10:30PM)


【Super Lounge】
Coca-ColaMia Borders(7:30PM) Rachelle Ferrel(8:20PM&9:35PM)
McDonald / 365Black Awards:Luke James(7:05PM) Tamia(8:10PM&9:25PM)
FordDaley(7:00PM) Kourtney Heart(8:00PM) Mint Condition(9:15PM)
Covergirl(Curated by Janelle Monae):Alice Smith(7:45PM) Marsha Ambrosius(9:00PM)
※時間は当初の開演予定時間です。


■悲喜こもごものラウンジ
Michelle最終日。この日の昼はコンヴェンション・センターも盛り上がっていて、Essence誌の特設ステージではミシェル・ウィリアムズが司会を務めるトーク・イヴェントみたいなのがあって、自分が行った時はSWVがステージを後にするところだった。あと、Walmartのブースではラヴォーンのミニ・ライヴとサイン会が。ラヴォーンはサントラ『Think Like A Man』に収録されRavaughnた“Same Ol' BS”が評判で、アルバムも待たれているんだけど、ここでは“Better Be Good”を熱唱。ワーレイはいなかったけど。この人はショート・ヘアがデビュー時のトニ・ブラクストンを思わせて、何となく懐かしい気分にさせてくれる。初々しくていい。アルバムが一向に出ないのが心配ではあるけれど。

Daley?で、スーパードームでの本番。まず向かったのはラウンジで、デイリーの会場へ。デイリーはマーシャ・アンブロウジアスとの“Alone Together”がR&B系のラジオ局でヘヴィロテされていたこともあって、早い時間なのに結構な数のお客さんが集まっていた。UKはマンチェスター出身の白人シンガーだけど、若い黒人女性からの支持が厚い。が、開演時間になっても、なかなか始まらない。しばらしくして、「デイリーは遅れてるので、もう少し待って」というアナウンスがあり、DJタイムとなったのだが、30分経っても出てこず。Daleyがdelay……っていうのは駄洒落だけど、個人的には彼が今回の目玉のひとつだったし、別の時間にラウンジでショウがあるマーシャとのデュエットもあるはずと期待していたので待ち続けていたのだが、ふと彼のTwitterを見たら「今日のロンドンはいい天気だ!」とか呟いていて、ツイートを遡ると数日前に「Essence Fest.には行けなくなった」と呟いていた……。そもそもニューオーリンズに来ていなかったのだ。それなのに、それを知らせない主催者の何と悪質なことか。2014年にリヴェンジで出ることになったが、個人的には今回の恨みがあるので(笑)、相当いいショウをやってくれないと納得しないぞ。
Luke というわけで諦めてルーク・ジェイムズの会場へ。2年連続出演で、去年のリポートにもあるように、この人は本当にガッツリ歌えますね。アルバムまで時間がかかっているけど、2014年に入ってからはリック・ロスをフィーチャーした“Options”も出したし、早いところアルバムを出してほしい。こういういいシンガーに限ってリリースが頓挫したりするから。

Mia続いてもラウンジで、ルークと同じニューオーリンズのアーティスト。ミア・ボーダーズという女性シンガー・ソングライターで、R&Bというよりは、昔ながらの南部らしいカントリー寄りのオルタナティヴなソウルというか。この人のアルバムはチェックしていなかったので、何の曲を歌っていたのかわからなかったけど、こういうルーツ・ミュージック的な人をEssence Fest.で観ると妙に落ち着いたり。数曲で会場を離れちゃいましたが。
 その次にラウンジで観たアリス・スミスも、また別の方向のオルタナティヴなAliceR&Bシンガーというか、2013年にサイエンスらの制作で出したアルバム『She』でジェイムズ・ポイザーが鍵盤を弾いていたこともあって注目していたんだけど、ヴォーカルはCDで聴くよりエモーショナルで、しばらく聴き入っていた。後で知ったのだが、この人、ポイザーも関わっていたメンフィスのブルース・ロック系シンガー、シチズン・コープの奥さんだったそうで、なるほどと。

■遂にTGTが!
TGTメイン・ステージの一発目はTGT。去年はタンクのショウにタイリースが飛び入りして、「TGTを期待しててくれ!」という感じで終わったわけだが、今年はTGTとしてアルバム発表直前のライヴ。まず、3人それぞれのソロ・ステージで、最初に出てきたタンクはサイド・ヴォーカルにロニー・ビリアルを従えてガッツリ歌い込む。やはり盛り上がるのは“Please Don't Go”、かな。続いてジニュワイTankン。この人は、やっぱり“Pony”。でも、あの頃のわんぱくな印象はない。99年にNYの[アポロ・シアター]で彼のライヴを観たことがあるのだけど、あの時の全身性器みたいないかがわしさもなくて、何か普通に気のいい兄ちゃんというか。特にタンクの後だと余計にそう感じる。そしてタイリース。登場した時の歓声は圧倒的で、タンクの2倍、ジニュワインの3倍。俳優やってる人はやはり凄いと、改めて。曲は“Stay”が盛り上がる。そうして3人それぞれがソロ曲を2Tyrese~3曲歌い終えてからTGTとしてのショウが始まったんだけど、「これから“スリーメン・グループ・トリビュート”をやる。みんな、ジェラルド・リヴァートは好きか?」と言うから、リヴァートの曲を歌うんだ!と思ったら、歌ったのはベル・ビヴ・デヴォー“Poison”とガイの“Piece Of My Love”だったという。まあ、会場は大盛り上がりですけど。その後、ローズ・ロイスの“I'm Going Down”をメアリー・J.ブライジよろしく観客に合唱させて(笑)、結局、TGTのオリジナルは“Sex Never Felt Better”だけ。TGTの曲をライヴで披露できるほど、まだ歌い込んでいなかったのかな? 何だかアッサリなステージで、肩透かしを食らった。

Monetその次にメイン・ステージで観たのがジャネル・モネイ。数年前まではラウンジで控えめにショウをやっていた彼女も遂にメイン・ステージに昇格。〈Covergirl〉のラウンジのキュレイターを務めるくらいだし、本当にビッグになった。彼女も新作『The Electric Lady』を出す直前のライヴで、ロックン・ソウル的なショウを繰り広げてくれたのだけど……実はこの時、同伴者が客席でスリの被害に遭い、あまりライヴに集中できなかった。9年間Essence Monet 2Fest.に行っていて、これまではこういうことがなかったので驚いたが、悪質というか陰湿な嫌がらせをするヤツがいるもんで、僕自身が被害に遭ったわけではないが、改めて気をつけないと!と思った次第。普通に観ていれば危険なことは(軽く人種差別を感じる以外)ないが、やはり油断はできない。

Tamiaラウンジではこの前後にラッシェル・フェレルとコートニー・ハートもあったがパスし、ミント・コンディションを少しだけ観てタミアのステージへ。タミアを生で観るのは今回が初めてだったのだけど、運よく、聴きたかった曲の時に居合わせることができた。ひとつはクインシー・ジョーンズのアルバムで披露していた“You Put A Move On My Heart”(もとはミーシャ・パリスが歌っていたもの)。満員のラウンジ、予想通りの大合唱。この人はレコード通りにキッチリと力強い美声で歌ってくれる。もうひとつは最新作『Beautiful Surprise』のタイトル曲。これはバック・コーラスの女性と一緒に振り付きで歌ってくれた。数曲しか観られなかったけど、タミアは初日のエイヴリー・サンシャインと並ぶ今年の収穫だった。
 しっかり歌えるといえば、昨年に続いて出演したマーシャ・アンブロウジアス。デイリーが来ていれば、どっちかMarshaのステージで“Alone Together”の共演が実現していたのに……なんてことを思いながら向かったラウンジ。行ってみれば超満員。いろいろバタバタしてて少ししか観られなかったんだけど、この人は年々大物感を増していて、観客の声援もハンパない。ソプラノ・ヴォイスでの熱唱、シャウトの凄いのなんの。“Say Yes”とかを聴くと、やっぱりフロエトリーはマーシャがいてこそだったのかな?と思ったり。随分待たされている新作『Friends & Lovers』も楽しみ。2014年にも出演が決定しているが、次はデイリー(彼も出演予定)とのデュエットが聴けるか。



■ミセス・カーター・ショー
Beyonce 1そして大トリのビヨンセ。この日は早い時間からドーム内が激混みで、警備がかつてなく厳しかった。動画撮ってた人は注意されてたほどで、Essenceでこういうのは珍しい。DJが煽りまくっていたせいもあってか、開演20分くらい前には会場がお祭り状態で、キューピッドの“Cupid Shuffle”でドンチャン騒ぎになるなど、凄い熱気だった。
Beyonce Aで、ビヨンセ。ワールド・ツアーの〈ミセス・カーター・ショー〉をそっくりそのまま持ってきたステージは、ほぼデスチャの曲をやらず、ソロ曲で固めたステージ。バンドは例の女性だけのアレ。ざっくりとした印象は、ファッション、バックスクリーンの映像も含めヴィジュアル面に異様に凝っていたショウだったということ。あまりよく知らないので詳述しないが、有名デザイナーやクリエイターが関与していて……ライヴというより凝りに凝った映像作品7万人の観Beyonce 2客と一緒に観てるような感じだったかな。動画撮影が禁止だったのも、そのせいかも。前回、マイケル・ジャクソンが亡くなった直後の2009年のEssence Fest.では、シンガーとしてのビヨンセにフォーカスしていて、マイケルに捧げた“Halo”の絶唱とか鬼気迫るものがあったけど、今回はファッション・ショー的というか、セレブリティとしてのビヨンセを見せます……という感じで、個人的には伝わってくるものがなかった。数曲歌っては衣装を替え、セット・チェンジという慌ただしさで、P1060773歌を聴いてる感覚はほぼなし。リップシンクもかなり多く、それ自体はいいんだけど、最後の最後でドカーンといくと思った“Love On Top”も、わりとアッサリな感じで。“Crazy Love”とか“Single Ladies”あたりはもっと前にやってくれてもいいと思ったけど、まあ、僕が文句を言える立場じゃないし、ツアーをそのまま持ち込んでいるので仕方がない。彼女のナマの歌をしっかり堪能できたのは“Irreplaceable”くらいだったかな。とか言いつつ、写真集なみに豪華なツアーパンフも買ってしまったわけですが。
Beyonce Bというわけで、2013年のEssence Fest.は、これにてお開き。最後のビヨンセが全てを持っていっちゃった感じで、Essence Fest.が終わった……という気分にはならなかったけど。後から思えば最終日の出演者はみんなビヨンセの前座みたいBeyonce Cで、実際、マーシャ・アンブロウジアスは自身のステージの最後で「さあ、みんなお待ちかねのビヨンセのショウが始まるわ」なんて言ってて、ちょっと萎えた(笑)。やっぱり最後はメイズで……というのは禁句だけど、あの終わりを一度でも味わっていると、恋しくなってしまう。そろそろ戻ってきてくれないかなぁ。


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