Essence Festival 2013:Day 2(7/6)
【Main Stage】
Solange(6:30PM)
Keyshia Cole(7:35PM)
Trey Songz(8:35PM)
Charlie Wilson(9:40PM)
New Edition(11:30PM)
【Super Lounge】
Coca-Cola:Avery*Sunshine(7:00PM) Bridget Kelly(8:00PM) Faith Evans(9:05PM)
McDonald / 365Black Awards:Greta Prince(7:10PM) Leela James(8:00PM) Jody Watley(9:25PM)
Ford:PJ Morton(7:35PM) F.Stokes(8:30PM) Big Daddy Kane(9:10PM&10:25PM)
Covergirl(Curated by Janelle Monae):Deep Cotton,Roman GianArthur,St.Beauty(7:20 PM) Bilal(9:15PM)
※時間は当初の開演予定時間です。
■圧巻だったエイヴリー・サンシャイン2日目。この日のメイン・ステージは早めの開演で、ソランジュから。これまではラウンジに何回か出ていて、白人男性のバンドをバックにスウィンギン・ロンドンを気取ったようなスタイリッシュでアーティスティックなショウをやっていて、いい意味でラウンジで十分と思っていたのだけど……メイン・ステージに昇格。姉のビヨンセが最終日の大トリだから、ってのは関係ないと思うが。彼女の場合、2枚目のアルバムでレトロ・ソウルみたいなのをやっていて、これまではそれを軸にしたライヴだったんだけど、デヴ・ハインズと組んで2012年に出したEP『True』でエレクトロとかインディ・ロックっぽいことをやり出して、また別の方向に行っちゃった。“Losing You”とかはマドンナみたいな
ダンサブルなエレクトロ・ポップだったし。なので、リアーナみたいな感じでメイン・ステージが似合ってはいるけど……時間も早かったし、客席の反応は厳しかったかな。自主レーベルで彼女が監修したコンピ『Saint Heron』も含めて、音楽的な意欲とか広がりみたいなのは、おお!と思うんだけど、Essence Fest.のような会場では盛り上がらない。
ラウンジ一発目として観たのは、個人的に一番楽しみにしていたエイヴリー・サンシャイン。2010年に出した“Ugly Part Of Me”がジワジワと売れて、言ってみればジル・スコットとレディシのいい部分を合体させたようなシンガー/ソングライターなんだけど、彼女は期待通り、いや期待以上。坊主頭も印象的で、シンセサイザーの前に腰掛けて、目と口をまるまると開きながら愛らしく剛柔自在に歌いまくる姿がたまらない。MCで「今日はママが観に来てるのよ~。ハッハッハァ~」とか言いながらデカい声で喋りたてる彼女は教会のプリーチャーみたいというか。“Ugly Part Of Me”は当
然合唱になったけど、最後に演ったアニタ・ベイカーの“Sweet Love”ではこれでもかとキーを上げ、ガンガンにアドリブをかまして熱唱。ダニー・ハサウェイに憧れているみたいで、弾き語りのスタイルはダニーっぽいイメージもあった。この時点で早くもMVPは彼女に決定。10年くらい前、クリス・ブランのアナンダ・プロジェクトに曲が取り上げられて、それがキッカケで来日して〈メタモルフォーゼ〉で歌ったこともあるみたいだけど、改めてソロで来日してほしいな。
あと、この時間帯のラウンジでは、2年前にEssenceFest.主催のコンペティション〈R&B Star Search〉で優勝したグレタ・プリンスとか、〈Covergirl〉ステージでは、昨日に続いてジャネル・モネイ一派のディープ・コットンとかのライヴがあったんだけど、それはパスしてPJモートンの会場へ。PJをEssence Fest.で観るのは2度目。今年はYMCMBから新作『New Orleans』を出した直後ということで、アルバム・タイトルがそのものだし、観ないわけにはいかないという。さすがに前回よりお客さんも増えていて、これまで以上にR&Bシンガー然としてたかな。盛り上がったのは、曲が浸透しているせいか、前作『Walk Alone』収録の“I Need Your Love”とかだったかな。
■レディ・ソウル勢の快演とビラルの怪演ソランジュに続くメイン・ステージは、去年に続いて2年連続出演となるキーシャ・コール。キーシャは、Essence Fest.において今やメアリー・J.ブライジと同じくらいに欠かせない存在になっている。ステージは去年とそれほど変わりなく、新曲を交えながらも、いい意味で“お約束”。ソウル・クラシックスのメドレーにしてもそうだし、“Love”や“I Remember”で盛り上がるあたりも含めて。わりと踊るので、歌がついていってない感じもあるけど、そういう雑なところも含めてキーシャかな、と(笑)。
この後、ラウンジで観たのがリーラ・ジェイムズ。彼女はデビューした時の初来日公演が印象的で、チャーチ・ルーツを剥き出しにした絶唱に打ちのめされたけど、インディとメジャーを行き来してる間にさらにタフになって、やさぐれた雰囲気さえ感じさせる(笑)。ヴォーカルも怒号のよう。クラシックなソウルとか黒人としてのアティテュードを追求しようとするがあまり、非黒人が黒人に憧れて昔のソウル感を出そうと腐心しているのに似て、ちょっと重いというか、トゥーマッチだったりもする……。それだけにローリング・ストーンズの“Miss You”なんかを歌うとしっくりくるのだけど。
ラウンジではブリジット・ケリーとかF・ストークスのショウもあったけどパス。一方、メイン・ステージはトレイ・ソングスだったが、彼はしょっちゅう出てることもあって、これまたパス。ただ、今の彼がR・ケリーを追う存在になっていることは確かで、デビュー時に故アーメット・アーティガンが「オーティス・レディング以来となるアトランティックの逸材」と大袈裟な賛辞で送り出したことも、今となっては、間違いじゃなかったかも……と思ってしまうほど。次はちゃんと観ておこうと思う。
その後、ジョディ・ワトリーやビッグ・ダディ・ケインを泣く泣くパスして、ラウンジで観たのがフェイス・エヴァンス。さすがに超満員で、前半の“You Used To Love Me”とか数曲だけ観て移動しちゃったんだけど、後で訊いたら自分が移動した直後に“Soon As I Get Home”でケリー・プライスが飛び入りして熱唱したという……帰国後にYouTubeの映像を観たけど、これは悔しかったなぁ。
フェイスを短時間で出ちゃったのは、同時進行でビラルのステージがあったから。しかも、このステージ、バンド・メンバーにフィリー在住の日本人ギタリスト宮崎大氏(今年のグラミー賞では、バンド・メンバーとしてだが、タイ・トリヴェットの新作で2冠に輝いている)とスティーヴ・マッキー(ドラムス)が参加しているというので観逃せなかった。〈Covergirl〉のステージで、ジャネル・モネイがビラルを紹介するってのも不思議な感じがしたけど、エキセントリックな音楽性はモネイと相通じていると
いうか。最新作『A Love Surreal』からも何曲か披露してくれて、メロウでサイケな音空間を生み出していた。ビラルの気取り方はプリンスとかモーリス・デイの雰囲気そっくりですね。宮崎大の超絶ギター・ソロもあったけど、あれがどの曲だったか、ちょっと思い出せない。一番盛り上がったのは初期の“Sometimes”。これが大合唱になって、そうなのかぁ、と。






