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Essence Festival 2013:Day 1(7/5)

初日イメージ【Main Stage】
Brandy
(7:00PM)
LL Cool J(8:05PM)
Jill Scott(9:25PM)
Maxwell(11:00PM)

【Super Lounge】
Coca-ColaShamarr Allen and The Underdawgs(7:10PM) Blackstreet(8:35PM&9:50PM)
McDonald / 365Black AwardsMaya Azucena(7:25PM) Simphiwe Dana(8:15PM) Les Nubians(9:20PM)
FordMali Music(6:55PM) Emeli Sande(7:45PM) Anthony David(8:55PM&10:05PM)
Covergirl(Curated by Janelle Monae):Deep Cotton,Roman GianArthur,St.Beauty(7:10 PM) Chrisette Michele(9:05PM)
※時間は当初の開演予定時間です。


■スタートは初出演のブランディから!
Brandyもう年を越しちゃいまして、1年ぶりに振り返るEssence Festival 2013ですが、まあ、今回は時間も経っちゃいましたし、その後の動きなんかも交えて、ユルくひとり語りを。序文でも触れているけど、今年からフェスの名前がマイナー・チェンジして。前年までの違いといえば、フェス前日に〈Family Reunion Day〉があったことくらいかな。
初日のメイン・ステージのトップバッターは意外にもEssence Fest.初登場というブランディ。本人がライヴの冒頭で言っていて気づいたんだけど(笑)。3月に来日公演も観ていて、“What About Us”から始まる展開も含めて、その縮小版って感じだったと思う。80年代の滅法歌えるファンク・バンドの女性シンガーみたいだなぁと思っていたけど、デビューから約20年経ってEssence Fest.の大舞台を踏める貫禄がついたというか。“Best Friend”とか“Baby”“I Wanna Be Down”といった初期の曲を歌うと特にそう感じる。それでいながら今の若手と張り合えるフレッシュさもある。最新作『Two Eleven』のBrandy 2曲ももちろんやって、最後が“Put It Down”だったかな。でも、ハイライトは来日公演でもやったホイットニー・ヒューストンのメドレー(“I'm Your Baby Tonight~How Will I Know~I Wanna Dance With Somebody”)。こういうのはEssence Fest.に限らずだけど、受けますね。
 早い時間のラウンジではインディや新人の、わりと地味目なところ……と言っては失礼だけど、自分的に注目のアーティストが多かった。6時台からやってたマリ・ミュージックは、ゴスペル盤だった2009年の『The Second Coming』も聴いてて、観ておきたかったんだけどスルーしてしまい……後悔。世俗に転向して出した“Beautiful”が、ここまで注目されるとは思わなかった。2014年に出された新作『Mali Is…』は、ミゲルと同じマーク・ピッツのバイストーム/RCAからで、まさにミゲルとジョン・レジェンドを合わせたような雰囲気。
Mayaで、この時間帯でまず観たのがマヤ・アズセナ。アズシーナと読むらしいけど、まあ、どっちでもいいや。2003年の『Maya Who?』から10年経って、ようやく初出演。彼女はぜひ観たかった人なんだけど、まず驚いたのが、小柄だと思っていたら大柄だったこと(笑)。となれば、CDで聴けたパワー・ヴォイスも納得ってなもんで、実際にナマの歌もその通りだった。僕がフルで聴いて一番印象に残ってるのは“Fearless”という曲。これは秋に出すニュー・シングルということもあって、かなり力が入っていた。バンド・サウンド映えするソウルフルなHoney声。お客さんは少なかったけど、バック・コーラスにハニー・ラロシェルがいたのは得した気分だった。彼女、冬にロバータ・フラックの来日公演に同行したんだけど、2013年に出したアルバム『The Yes Feeling』がオーガニックな好盤だったから、マヤとの相性もいい。終演後は会場をウロチョロしてたけど、赤毛だから凄く目立つ(笑)。


■充実のラウンジ。ブラックストリートも登場!
Emilieエミリー・サンデーもラウンジで。UKからのアーティストということもあって、エステルに近い盛り上がり方だったかな。でも、彼女がエステルと違ったのは、初出演にしてラウンジが超満員だったこと。しかも合唱になる率が高い。アメリカでは『Our Version of Events』って大ヒットというほどヒットしてないと思うんだけど、“Next To Me”は、さすがに人気でしたね。US R&Bのノリとは違うUKらしいポップ・ソウルで、個人的には心の底からはのめり込めないタイプなんだけど、アメリカでここまで受け入れられていてちょっとビックリだったかも。
 そんな中、メイン・ステージはLLクール・Jだったんだけど、すみません、これは完全にパス。彼のステージは、ニュー・エディションと同じで、昔と変わらないアイドル的な盛り上がりを見せるEssence Fest.の名物のひとつなわけだけど、それよりもラウンジで行われCovergirlる新人のR&B系アーティストを観たくて。で、向かったのがラウンジの〈Covergirl〉というステージ。ここでは3日間にわたってジャネル・モネイがキュレーターを務めて気鋭のアーティストを紹介するということで、初日は、モネイ所縁の面々が1時間半近くのステージをシェア。男性二人組のディープ・コットン、女性デュオのセイント・ビューティ、そしてローマン・ジャンアンサーの3組で、つまりモネイを筆頭とするワンダランド・アーツ・ソサエティに属する面々ですね。特に男性の2組は『The Electric Lady』の裏方としても大きく関わっていて、その発売前だったこともあり、顔見せという感じだったんでしょう。他のラウンジも回りつつだったので、結局ディープ・コットンしか観ていないのだけDeepど、これが正直キツかった(苦笑)。ネイト・ワンダーとチャック・ライトニングのふたりで、もちろんジャネルは開演前のMCで大絶賛するわけだけど……ライヴは自己陶酔系のブラック・ロックというかエキセントリックで、ジミ・ヘンドリックスが部屋にこもってモゾモゾやってる感じ(笑)。彼らがウェブ上で発表した『Runaway Radio』っていうミックステープは『The Electric Lady』の裏盤的な楽しみ方もできる好作品でしたが。
 で、同じ頃にやってたのが、南アフリカのシンフィウェ・ダナ。南アフリカの女性シンガーはいい人が結構いるのに話題になりにくい。2014年に米国デビューしたリラなんかは2010年に南アのワールドカップのコンピにも収録されて知られていた方だけど、実はリラとも縁のあるシンフィウェはワーナーでアルバムを出していたDanaのにチェックしていなかった。まとめて語るのも乱暴だけど、南アの女性シンガーはジャズの影響が色濃く、声が清らかというか、レッタ・ムブールの系譜を受け継いだような人が多い。ただ、USのR&Bシンガーと比べると線が細く、このシンフィウェも“超内気なジャネット・ジャクソン”といった感じだった。残念ながらお客さんもほとんどいなくて、彼女にとっては辛いアメリカ体験となったかもしれない。

Blackstreetそして、この時間帯で一番観たかったのは、やはりブラックストリート。さすがに本国でのブラックストリートは観てみたい。ただ、今のブラックストリートはBS2(Blackstreet 2)。どこぞの衛星放送みたいな名前ですが、テディ・ライリーを除いては新メンバーという。J・スタイルズ、レニー・ハロルド、トニー・タイラーがその新メンバーで、デイヴ・ホリスターDaveが名誉メンバー的な形で加わるという感じなのかな(2013年末に来日することになるメンバーでもある)。個人的な印象では、一番イケメンというかヤンチャな感じのレニー・ハロルドが目立ってたような気がするけど、優等生的なルックスのトニー・タイラーが結構ガンガンに歌うのがよかったかも。Teddy途中でデイヴ・ホリスターが出てきてから会場が一気にヒートアップ。“Before I Let Go”でバリトン炸裂、テディのトーク・ボックスも、ロジャー“I Wanna Be Your Man”を交えながら炸裂。これは普通にたまらなかった。



■好ステージが続いたネオ・ソウル系
Chrisetteクリセット・ミシェルもラウンジで観たんだけど……入場制限がかかってて、何とか滑り込めた。この人は何年か前に出た時も超満員だったし、もうメイン・ステージでいいんじゃないかな? 音楽的にはラウンジの方が似合うけど。今回は『Better』が出たばかりのタイミングで、ナマで“A Couple Of Forevers”を聴きたかったのだけど、ラッキーなことに、まさにそのタイミングに居合わせることができた。当然、お客さん大合唱。この人は毎度ながらレコードに近い感じで歌ってくれる。ただ、タトゥーがどんどん増えていくのはイメージに合わなくて好きじゃない(笑)
Anthonyさらにアンソニー・デイヴィッドとレ・ニュビアンもあって。アンソニーは2007年の時に観ていて、気の毒なくらい会場がガラガラだったんだけど、今回はさすがに増えてましたね、お客さんが。やはり“4evermore”のヒットがデカかった。レ・ニュビアンは一度も観たことがないので観たかったけど……もう回りきれなくて断念。メイン・ステージでジル・スコットもあったし。
Jillジル・スコットはここ5年くらい頻繁に出ていて、2014年も出演することが決まったけど、今回のステージは個人的に今まで観た中で一番よかった。ライヴ冒頭で“フィラデルフィアのソウル・クイーン”的な紹介をされて、しかも最初から最後までバック・スクリーンにフィラデルフィアの夜景/スカイラインを映して、スーパードームのお客さんをフィリーにご案内、という仕掛けがたまらなかった(笑)。2001年に出したライヴ盤『Experience:Jill Scott 826+』とか、ネオ・フィリーが全盛期だった頃のステージに近かったかな。ホーン・セクションが活躍していたのもよかった。サックスはマイク・フィリップス。彼はNYの人だけど、ヒドゥン・ビーチの元同僚で、これまでも一緒にツアーを回ってたりするし、ジルもリラックスできたんじゃないかと。あと、バック・ヴォーカルPhillyの男性3人がよくて、誰だか特定できないんだけど、アンソニー・ハミルトンの代わりに“So In Love”を一緒に歌ったシンガーは深い、いい声をしていた。でも可笑しかったのが、客席が一番盛り上がったのは、バック・ヴォーカルの男性3人でH-タウンの“Knockin’ Da Boots”を歌った時だったという(笑)。南部ってことでやったみたいだけど、それ、ニューオーリンズじゃなくてヒューストンだろ!と、たぶん多くの人がツッコんだはず?!

Maxwell 1で、初日のトリはマクスウェル。個人的にはEssenceで2度目。前回は『BLACK Summers' Night』が出た2009年で、本人、大遅刻して深夜に始まったという(笑)。その時はフレンチ・クオーターで新作リリース・パーティをやっていたらしく……でも、今回は時間通りに来た。紳士度が増したというか(?)、MCでも「俺、40歳になっちゃったよ」ってニヤニヤしながら言ってたけど、何かオッサンっぽいというか、丸くなった。デビューした頃のボヘミアンというか、あの危険な雰囲気がない。前回の時はナルシスト全開って感じだったのが、今回は何か吹っ切れていてカラッとしている。歌も、70年代じゃなくて60年代のマーヴィン・ゲイみたい。それはそれでセクシーなんだMaxwell 2ろうけど。“Fortunate”も盛り上がるけど、密室に連れ込まれたような妖しさじゃなくて、みんなで仲良く歌いましょー的な。ただ、唯一、ナルちゃんぶりが表れていたのは、アリシア・キーズとの共演曲“Fire We Make”を歌った時。アリシアは来てないんだけど、アリシアのヴィデオをバック・スクリーンに流して、それに向かって跪いたり、M男っぽいポーズをとってみたり、あの寸劇みたいなのは凄かった。それにしても“Fire We Make”の現地でのヘヴィロテぶり。ラジオ(WYLD-FM)を聴いていて一番かかっていたのが“Fire We Make”だった。空港からホテルに向かう時のタクシーでも聴いたし。
Maxwell 3てなわけで、今年も観たい人ばかりで、初日から落ち着かなかった。昼間にはコンヴェンション・センターでラヒーム・ディヴォーンの新作『A Place Called Love Land』のプレ・リリース・イヴェント的なのもあって、それも楽しませてもらった。

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