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2012年07月

Levert / I Get Hot

LevertニューオーリンズでのEssence Music Festival(EMF)を観終え、その後3日ほどニューヨークに立ち寄って帰国してから1週間。今年も実りの多い、嬉しいハプニング続きの旅となり、EMFのリポートもそろそろまとめたいところなのですが、帰国後は案の定バタバタ、しかも猛暑(ニューオーリンズを凌ぐ湿気!)でクラクラ。社会人が1週間仕事を休むと、やはりその前後にしわ寄せがくるわけでして、完全復帰までにもう少し時間がかかりそう。そんなわけでブログの更新も停滞してますが、今回は、最近仕事で関わったCDの中でもとりわけ思い入れの強いアイテムを告知も兼ねて取り急ぎ紹介。リヴァートの記念すべきデビュー作『I Get Hot』(85年)です。

よく知られているように、リヴァートはオージェイズのエディ・リヴァートの息子であるジェラルド・リヴァートとショーン・リヴァート、およびその友人であるマーク・ゴードンの3人からなるオハイオ州クリーヴランド出身のR&Bヴォーカル・グループ。当初は“親父の七光り”云々と言われるも、それをチャラにしてしまうほどの実力があったことは多くのR&Bファンが認めるところだ。とりわけジェラルドはソロ・シンガー/プロデューサーとしても活躍し、90年代以降のR&Bシーンになくてはならない存在に。もちろん、一枚だがソロ作を出したショーン、裏方として実力を発揮したマークの活躍も見逃せない。が、グループとしてのリヴァートは、97年に出した『The Whole Scenario』を最後に解散してしまう。2004年にはリユニオン・アルバムを作るべく録音していたようで、ジェラルドの共演曲などを集めたコンピ『Voices』(2005年)にリヴァート名義の新曲が収録されたりもしたが…その翌年、2006年11月10日にジェラルドが他界(享年40)。その後2008年3月30日には兄の後を追うようにショーンまでもが他界(享年39)してしまった。

そんなジェラルドとショーンの死をキッカケに、唯一CD化されていないリヴァートのデビュー作をリイシューできないだろうかと、何年か前、ヴィヴィド・サウンドのディレクター氏に話を持ちかけた。とはいえ、原盤レーベルのTempre(テンプリーもしくはテンパーと読むそう)は、リヴァートのレコードでしかお目にかかったことがない(実際リヴァートしか出していない)フィラデルフィアのマイナー・レーベル。どこからコンタクトを取っていいのかわからない。しかも、原盤権者を必死に探して再発するほど価値があるアルバムかといえば、正直それほどでもない。なにしろソウル・ファンからは、「いいのは“I'm Still”一曲だけでしょ。500円も出せばLP買えるよ」などと凡作扱いされてきたアルバムだったのだ。けれど、その“I'm Still”があまりにも素晴らしい。リヴァートは、メジャー(アトランティック)移籍後にも“(Pop,Pop,Pop,Pop)Goes My Mind”“My Forever Love”“Smilin'”“Baby I'm Ready”といったスロウ/バラードの名曲を数多く放ったが、デビュー・シングルでもあった“I'm Still”はそれらと比べても遜色ない…どころか、リヴァートの全キャリアで1,2を争うスロウだと個人的には思っているほど。18歳(当時)とは思えないジェラルドの父エディ譲りのディープなヴォーカルに、元MFSBのノーマン・ハリスによる陶酔感たっぷりなオクターブ奏法のギター。オージェイズが好きなら一発KOな70sフィリー・ソウル・マナーのスロウである。また、アルバムの他曲も、キャミオに影響されたというアップも今聴くと案外いいし、マークが単独で書いた“I Want Too”のようなミディアムも悪くない。だが、『I Get Hot』の曲はどのベスト盤にも入っていない。このままだと、きっとどこからも再発されないだろうな…そう思い、ならば原盤権者を探してみましょうということになった。

それから数年…こちらの熱い思いが通じたのか、今年に入って、ヴィヴィドが国内配給を行っているシャナキーから朗報が届いた。シャナキーでA&Rを務める(しかもフィラデルフィアンの)ランダル・グラス氏が原盤権者を知っているという。その人物とは、Tempreレコーズのオーナーで、『I Get Hot』のプロデュースにも関わっていたハリー・J・コームズ氏。リヴァートのメジャー進出後もグループのマネージメントを手掛け、彼らによるTrevel(Levertの逆さ読み)プロダクション関連のアーティストもサポートした御仁だ。そのハリー氏、実はかのフィラデルフィア・インターナショナル・レコーズ(PIR)で10年近くスタッフとして働き、オージェイズをはじめとするPIRのほとんどのアーティストと仕事をしたという経歴の持ち主でもある。が、80年代初頭にPIRが事業を縮小し始めた頃に退社。PIRの本社近くの自宅オフィスにてひとりで興したのがTempreだったという。そこで、かねてより親しかったエディ・リヴァートから、音楽活動を始めたばかりの息子たちの曲(おそらくデモ)を手渡され、これはイケる!と思ったハリーが、彼らをフィリーに連れてきて録音しようということになったらしい。

アルバムの制作ではハリーのフィリー・コネクションを活かし、ノーマン・ハリス、デクスター・ワンゼル、シンシア・ビッグス、ブレイクウォーターのケイ・ウィリアムズJr.らも起用。もちろん父のエディやオージェイズのウォルター・ウィリアムズもクリーヴランドでのデモ録りの段階から関わっている。録音場所はフィリーのシグマ・サウンド・スタジオ。オーナーのジョー・ターシアに出世払いでOKをもらってスタジオを借りたというエピソードが今となっては感慨深い。そんなアルバムの制作過程や楽曲についてのアレコレは、快くインタヴューに応じてくれたハリー・J・コームズとマーク・ゴードンの発言を交えてライナーノーツにたっぷりダラダラと書いているので、お手に取っていただけると嬉しい。拙文だが、今までよくわからなかったデビュー作に関する謎が氷解すると思う。ただ、今回の再発CD、ひとつだけ(かなり)残念な点がある。というのも、実はTempreがアルバムのマスターテープを紛失してしまったようで、LPからの盤起こしになっているのだ。最初聴かせてもらったマスターにスクラッチ・ノイズが入っていたので、これは?と確認したところ、そのことが判明。でも、それを出してきたのはレーベル・オーナーで原盤権所有者のハリー氏だ。その彼が「オリジナル・マスターがない」と言うんだから、本当にないのだろう。こればっかりは仕方がない。

ただ、結果的にリイシューのタイミングとしてはバッチリだったと思う。昨年は、マーク・ゴードンがジェラルドの他界後に始動させたリヴァートII(現在は元フーズ・フーのブラック・ローズとマークのデュオ体制。今後新メンバーを加えてトリオにする予定)のアルバム『Dedication』がCD盤としてリリースされ、先日はエディ・リヴァートがキャリア初となるソロ・アルバム『I Still Have It』を発表したばかり。リヴァートのルーツを振り返るには、ちょうどいい時期だ。そんなこんなで、今月25日発刊のタワーレコードbounce誌ではリヴァート・ファミリーの特集もやっている。R&Bとヒップホップの懸け橋的な存在としてシーンを牽引していったリヴァートの原点『I Get Hot』を聴きながら、改めて再評価を! そして…個人的にはジェラルドの後を継ぐようなディープで熱いシンガーの登場/復権を願ってやまない。



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Essence Music Festival 2012:Day 3(7/8)

座談会:JAM×SHIROW×林 剛P1040357

Main Stage
Kirk Franklin(6:15PM)
Fantasia(7:15PM)
Anthony Hamilton(8:35PM)
Aretha Franklin(9:40PM)
Special Weekend Encore Performances~Chaka Khan(11:00PM)


Super Lounge
Coca-ColaLuke James(7:00PM) Estelle(8:30PM&10:00PM)
McDonaldAlex Boyd(7:45PM) Carl Thomas(9:00PM) Melanie Fiona(10:30PM)
FordBridget Kelly(7:30PM) Raheem DeVaughn(9:00PM&10:30PM)
Verizon WirelessThe Stooges Brass Band(7:15PM) Eve(8:45PM&10:15PM)
※時間は当初の開演予定時間です。

■日曜日、まずゴスペルを浴びる
林 剛(以下 林)「3日目、最終日です。この日は日曜ということで、昼間にはコンヴェンション・センターでゴスペルのパフォーマンス&説教が行われました。毎年あるイヴェントなのですが、今年はEMF本編に倣った〈Power Of Your Spirit〉というテーマで、メアリー・メアリーとフレッド・ハモンドを称えるショウを中心とした構成でしたね。メアリー・メアリーに捧げるパフォーマンスでは、アンバー・ブロック、キム・バレル、トラメイン・ホウキンズがそれぞれ自慢の喉を披露。キム・バレルのパートでは、緩急つけて熱唱するキムの歌にメアリー・メアリーのふたりが大泣きしてて、意味はよくわからなかったのですが感動的でした。その後、マーヴィン・ワイナンズの説教があって、フレッド・ハモンドに捧げるパフォーマンスでは、イスラエル・ホートンがギター片手にお馴染みのポップ~ロック路線のステージで盛り上げて……と」
P1040912SHIROW(以下S)「コンヴェンション・センター内にはいくつかステージがあるのですが、会場内では各ステージでゴスペルやダンス・コンテストもある一方で、ジャズやボサノヴァのライブもあったりと、EMF最終日ということもあって盛り上がってましたね。ミッシェル・ウィリアムス、カール・トーマス、ケニー・ラティモアらがミート&グリート(いわゆるサイン・握手会)をやっていたので僕はそちらに参加してきました。ミッシェルは本当にかわいらしいというかお茶目なキャラで、会ったら余計に好きになりましたね。カールがラフな上下ジャージ姿で登場したのに対し(笑)、ケニーはいつでもシャツ&ハットでクールにキメていてさすがだなと思ったり」
「SHIROWさん、一緒に記念写真撮ってましたよね(笑)。そんなSHIROWさんを半ば強引に誘って観たのが、ゴスペル会場でのヨランダ・アダムスだったんですけど」P1040936
S「ヨランダのパフォーマンスは感動的でした!」
「ヨランダの歌はもともと繊細というか、爆発するようなタイプじゃないんだけど、聴き手の心にスッと入り込んできて、ジワジワと熱くさせますよね。そして、そんなイヴェントの流れを継ぐかのように、最終日、EMF本編のメイン・ステージ一発目はカーク・フランクリン。この人はエネルギッシュでクワイアと客席を煽りまくりますが、近作『Hello Fear』からのタイトル曲や“I Smile”はさすがに歓声が上がりましたね」
S「1曲目からいきなり“Looking For You”をブチかましてくれましたね。まだ開演したばかりで空席が目立ってたんですけど、一気に会場の熱気も上がり、掴みはバッチリといったところ。日本でもゴスペルスクールでよく歌われているという“My Life Is In Your Hands”も感動的でした。会場内はどの曲も大合唱で、ドーム内が大きな教会のようでしたね」
P1040968JAM(以下J)「いや、この掴み方は凄かったですね。ただ、そんなこちら側の印象は実に表層的なもののハズで、昨日のメアリー・メアリーにしてもそうですが、ゴスペルであること、それはつまり彼らのステージングがパフォーマンスであるのと同時に神へのサービスでもあるので、その感覚を抱くにはお恥ずかしながら不適格なんですよね。そんな不適格さを思い知るためにもベタで見させていただきました」
「カーク、YSL(イヴ・サン・ローラン)のTシャツを着てましたが、何か関係があるのでしょうか(笑)」
J「カークさん、あなたも不適格なのでは(笑)」
S「YSLのロゴが大きくプリントされてたので、見ていてどうしても気になりましたよね。きっと何も気にせず着てたんでしょうけど(笑)。カーク自身は歌うわけではなく、とにかくステージ上をちょこまかと動き回ってたんですが、ひとつひとつの言葉や動作が一所懸命で心に伝わってきましたね」


■ファンテイジアに降参!

「この日は早い時間から各ラウンジで新人系アーティストのパフォーマンスもありまして。まず観たのがルーク・ジェイムズ。ルーク&Qとしてシングルを出すもアルバムを出せずに終わった、あのルークです。ビヨンセ“Run The World(Girls)”やメラニー・フィオナ“4PM”のミュージック・ヴィデオに出演、しかもニューオーリンズ出身という、ある意味EMFへの出演条件が整っていた人ですが、この人はマジで歌えますね。シングル“I Want You”で聴かせた力強いテナーと炸裂するファルセットはステージでもバッチリ。最初はガラガラだったラウンジも徐々に埋まってきて、観客の心を掴んでました」
P1040980S「オープニングにはケニー・ラティモアが登場し“これから出てくるヤバいシンガーを紹介するぜ!”と言ってルークを紹介。ケニーは今年のEMFの出演者ではないにしろ、他にもいろいろな場面で登場しましたね。そろそろ新作も出るみたいですし、今回のEMFへの参加が来年の出演に繋がればと期待しています。ルークは特に注目していたわけでもなかったのですが、生で聴いてみて一気に好きになりました。今風の踊れるエレクトロ路線でもなく直球R&Bですね。ルーク&Qの頃からを考えればキャリアも長いですし、苦労してるだけのことはある歌声だと思います。ビヨンセのツアーにも参加しているようですし、いい形でリリースされることを願いたいですよね」
「ミント・コンディションの“Breakin' My Heart(Pretty Brown Eyes)”のカヴァーにもヤラれました。ミントのこの曲は、前日のドゥルー・ヒルといい、本当に人気がありますね。今や90年代R&Bのアンセム」
J「カークから(次の)ファンテイジアとメイン・ステージを連続させてしまったために、ルークを諦めたこと、これは悔いが本当に残ってるんですよね……トホホ」P1040992
「ブリジット・ケリーも楽しみにしてまして。ジェイ・Z“Empire State Of Mind”におけるアリシア・キーズの代役をライヴなどを務めて熱唱してたコです。当初はケリ・ヒルソンっぽいイメージを抱いていたんですが、実際観ると結構な姉御系というか、ロック・バンドのフロントに立つ御姉ちゃん風。ラウンジがガラガラだったのが寂しかったですが、時折ハスキーになるエモーショナルな歌いっぷりで、歌も安定している。一曲聴いただけで移動しちゃいましたが」
J「林くんは会場内ツアーのプロでございます(笑)」
「プロ認定、ありがとうございます(笑)。で、次も新人のステージで、アレックス・ボイド。いわゆるブルー・アイド・ソウル・シンガーで、わかりやすく言うとロビン・シックをイナタくしたような感じでしょうか。やはりまだ知名度が低く、会場ガラガラでしたが、ギター抱えて一所懸命黒く歌おうとしてましたね」
P1050024S「アレックスは曲にしても声にしても黒さは薄めな印象だったんですけど、“I Wish I Knew”という曲が好きだったので調べてみたら(ミュージック・ソウルチャイルドなどを手掛けてる)アイヴァン・バリアス&カーヴィン・ ハギンズがプロデュースしてるとのこと。アレックスは他にもオハイオ州シンシナティで開催されているブラック・ミュージックの祭典〈Macy's Music Festival〉にも今年出演したようですし、あくまでポップスとしてではなくブラックとして売り出そうしてるみたいですね」
「そうみたいですね。ダニー・ハサウェイとかがアイドルみたいで。2名ほど熱狂している黒人のお客さんがいて、とりあえず安心しましたよ(笑)。アイヴァン&カーヴィンが手掛けた“I Wish I Knew”はいい曲! アルバムも楽しみだなぁ。で、ラウンジの新人をひととおり観終えて、メインのファンテイジア。2年連続での出演です。今年もちょっとしか観てないんですが……本人はいつも通りガムシャラに激唱。猪突猛進型というか(笑)、熱くなりすぎて客席に入り込んでいく、衝動的とも言えるパフォーマンスが凄いです。“Bittersweet”は今や彼女のクラシックですが、これは本当に素晴らしい」P1050009
J「ファンテイジアは日本でも観逃していたので、EMFで満喫できたことがとにかく嬉しかったです。もう一挙手一動足を観逃すまいと、そしたら結構動きがソウルフルに乱暴で。でも、そんなエモーショナルなところに彼女の素が見えた感じがして、凄ぇなあと思いました。林くんの言う通り、“Bittersweet”は問答無用に素晴らしかった」
S「ファンテイジアはいつも登場と同時に靴を脱いで裸足になってから歌うというお決まりのアレがあるんですけど、今回もやったんでしょうかね(笑)。ステージから客席が遠かったのでそこまで細かく確認できなかったのですが。数年前にNYのブロードウェイで行われた主演ミュージカル『The Color Purple』や昨年の来日公演でも彼女の生の歌声は聴いていたので、CDで聴く以上にもの凄く歌える人だということはわかってはいたのですが、今回も圧倒的な声量。確実な情報だと言い切れませんが、なんでもウワサによるとこの人はリハーサルをやらずにいつもぶっつけ本番で歌うらしいんです。それでいてあの声量。心の底から叫ぶように歌う感じはメアリーJ.ブライジのそれとはまた違った感動があって、聴いててなんだか胸が熱くなりました。余計なお世話かもしれませんが彼女はやっぱりショートヘアが似合いますね(笑)」
P1050010「髪の毛、今回は伸びてましたね。ウィッグだったのかもしれませんが。近年のステージでお約束のようになっているレア・エッセンス“Overnight Scenario”からソウルIIソウル“Back To Life”の流れも相変わらずで、この人も客の沸かせ方を知ってるなぁという感じですね。あと、ゴスペルのヴァショーン・ミッチェルがゲストで出てきて、彼のヒット“Nobody Greater”を歌う場面もありましたけど、ファンテイジアは母親のダイアンと一緒にヴァショーンの曲に参加していたんですね」


■もてなし上手な(?)シンガーたち
「その後ラウンジではエステルのショウがありました。2008年のEMF初出演の時は結構空いていたラウンジも、今や超満員。“Pretty Please(Love Me)”から新作『All Of Me』でジャネル・モネイとやってた“Do My Thing”という60sモータウン調ナンバー2連発の後、スプリームス“You Can't Hurry Love”へと繋ぐ展開に持っていかれました。スプリームスのカヴァーはフィル・コリンズのヴァージョンでも親しんできたはずのUK出身者ならではというか」
P1050037J「2008年のEMFのステージは僕も観ていて、無論、他のステージとのバッティングということはあっても、“American Boy”のヒットの後なのに、客ってこんなしかいないの? 恐ろしや、EMF……と感じたのをよく憶えています。でもライヴは一切手を抜かず、全力でやりきってかなり感動したんですよね。だから、今回の状況は本当に喜ばしかったです」
S「エステルは僕も前半しか聴けてないのですが“Do My Thing”はノリもよくて盛り上がりましたし、今後もずっと定番曲になりそうですよね。 スプリームスのカヴァーはUKでのそんな経緯も意識していたとは気がつかなかったです。後半ではヒット曲の“American Boy”なども歌ったみたいで、これも凄く盛り上がったそうで」
J「もう2008年のことは思い出す必要もなくなりました」P1050038
「そうですね。本人も自信に満ち溢れてましたし。結局前半しか観られなかったので、7月下旬の来日公演で観直したんですが、セットリストはほぼ一緒だったみたいです。UKブラックな出自を露わにしたレゲエ・ベースの最新ダンス・ミュージックという感じで、そこにメアリー・J・ブライジ(MJB)への憧憬が加わったパフォーマンスというか。MJB“Real Love”のカヴァーは定番でしたが、今回はそこから“Break My Heart”に繋がる展開とかが見せ所だったのかもしれません。あと、EMFではジャクソンズ“Blame It On The Boogie”のカヴァーもやったそうですが、あれ、曲の作者がイギリスのミック・ジャクソンってことで、エステル、徹底してます。凄い母国愛!」
J「筋が通ってるんですよ、彼女」
「ラウンジでは、今回唯一のヒップホップ・アクトとなるイヴも盛況でしたが、僕はそれを歩き観しながらメインのアンソニー・ハミルトンに。アンソニーは、10年くらい前はディアンジェロのバック・ヴォーカルやってたのが、彼も今やメインで客席を沸かせる大物ですよ。大きな会場をゆったりとしたチャーチなグルーヴで包み込む感じがたまらないです。“The Point Of It All”なんかグッと胸に沁みました」
P1050086S「イヴは全く観られなかったのですが、アンソニーはラウンジで歌おうがメイン・ステージで歌おうが関係なく客を引き付けられるくらい本当に声に説得力がありますよね」
J「アンソニーは無茶苦茶デカイ存在になりましたね。やっぱり自分だけの音楽観を持っている人は強いんだな、と感じました」
「比べるのもお門違いかもしれませんが、ヴォーカルの説得力はディアンジェロより何倍もあったような気がします」
J「林くん、やっぱり比べてしまいますよ。結局は何をリスナーに与えてくれるかですから、その点アンソニーのもてなしは文句なかったと思います」P1050081
「では堂々と言いましょう、ディアンジェロより断然凄かった、と(笑)。で、実はそのアンソニー・ハミルトンの時間帯にラウンジでやってたのがカール・トーマス。僕は行ったり来たりしてたんですが、どうでした?」
S「カール・トーマスはデビュー時からもう大好きでして。アンソニーのライブは過去に観たことがあったからっていうのもナンですが、カールのライヴはアンソニーの時間を削ってでも観たかったので、ほぼフルで観てました。贅沢な選択肢! 昼間にコンヴェンション・センターでカールと話した際に“あなたのライヴを観るために日本から来たんだよ”なんてわざと大袈裟に言ってやったのですが(笑)、あながちそれもハッタリではないくらい楽しみにしていました。昼間はジャージ姿でしたが、さすがにライヴではスーツでビシっとキメてましたね。新作からの“Don't Kiss Me”とかも良かったんですけど、1stからの“Emotional”や“Summer Rain”はもう本当に絶品。途中で“今日はオレの友達を紹介するぜ!”なんて言うもんだから、まさかのサプライズ・ゲスト!?なんて一瞬期待したんですが、出てきたのは無名の男性シンガーで、観客も“え?誰?”みたいなムードに(笑)。そして、そのシンガーに任せてステージを去るカール……」
P1050067「2005年のEMFでは詩人のマリク・ユセフがゲストで出てきたんですが、その時も反応薄かったかも。僕は大興奮でしたけど(笑)」
S「ギターを弾きながらハイトーン・ヴォイスで歌う、そのシンガーは決して悪くはなかったのですが、知らないシンガーが3曲も歌うとなるとさすがに会場のテンションもダウン。再び登場したカールは最後に“これからナンバーワンヒットソングを歌うぜ!みんなわかってんだろ?”と客を煽り、“I Wish”のイントロが流れた瞬間に会場から歓喜の声! もちろんその後は大合唱でした」
「“I Wish”は2005年の時は観たんですが、今回は観逃してしまいました……」
J「僕はちょうど“I Wish”の直前に会場に到着したのですが、そんなプロセスがあったのですね。それにしても、“I Wish”の“みんなの歌”状態は凄かったですね!」P1040367
S「“I Wish”で終わるかと思いきや、その後アンコールでポリスの“Message In A Bottle”のカヴァーを披露。なんでまた最後にこの曲?みたいな感じはあったんですけど、この曲自体は誰もが知ってるほどの有名曲であるとはいえ意外と反応は薄く、あれほど合唱しまくるEMFの観客も軽く口ずさんでいた程度。やはり黒いアーティストの曲とそうでない曲とで反応がハッキリ分かれますね」
J「あれは正直“I Wish”で終わっておくべきでした」

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Essence Music Festival 2012:Day 2(7/7)

座談会:JAM×SHIROW×林 剛

P1040363Main Stage

Tank(6:45PM)
Mary Mary(7:30PM)
Ledisi(8:25PM)
Kevin Hart(9:45PM)
Mary J.Blige(11:20PM)

Super Lounge

Coca-ColaThe Original Pinettes Brass Band7:30PM Dru Hill8:45PM10:15PM

McDonaldTeedra Moses7:15PM Eric Roberson8:30PM10:00PM

FordLeah LaBelle7:45PM Stephanie Mills9:00PM Big Sam's Funky Nation10:45PM

Verizon WirelessRobert Glasper Experiment7:30PM The Stylistics9:00PM10:30PM

※時間は当初の開演予定時間です。

■タイリースが飛び入りで!
林 剛(以下 林)「2日目です。今日のメイン・ステージ、トップ・バッターは、去年のラウンジから昇格したタンク。新作『This Is How I Feel』も好調な彼ですが、ひとつ前の『Now Or Never』からの“Sex Music”とかをメイン・ステージで聴くことになるとは痛快ですね。去年も鋼鉄のような歌とサウンドが腹の底までビンビンに伝わってきたんですが、今回は会場の大きさのせいか、いい意味でラフでユルい感じで心地よかったです。“Slowly”のような濃厚スロウをメイン・ステージで歌うことになるとは」
P1040718SHIROW(以下S)「“One Man”が意外に人気で、観客も合唱してましたね。“Emergency”でのアツい歌声もよかったです。“Please Don't Go”では後半でファルセットを多用したりとバランスよく彼の魅力を発揮できてたと思います。タンクは前日の昼間にコンヴェンション・センターでサイン会をやっていたので、その時に“明日のライブ行くから楽しみにしてるよ!”ってことを伝えたんですよ。ほんの短い間でしたけど笑顔で接してくれて彼の人柄のよさを感じましたね」
JAM(以下J)「タンクはメイン・ステージ映えする人ですよね。佇まいも歌の力強さも含めて、存在そのものがとても大きい。思ったよりも人気があって……なんてことを言ってしまうと申し訳なかったりするのですが、こうしたタイプのシンガーがEMFに集うような黒人たちの間で普遍的な人気を誇っているという事実を改めて痛感させてもらった感じです」
「TGTの活動再開も決まったようで、そのプロモーションの一環か、タイリースも登場するという。主役のタンクよりも歓声が上がるあたりは、さすが映画スターでもある彼らしいですけど、そんな歓声の中で去年出た新作『Open Invitation』のリード・シングル“Stay”を熱唱ですよ。改めて彼の歌はサム・クックの影響が色濃いなと。昼間にはコンヴェンション・センターでタンクを前座にしたフリー・ライヴをやっていたんですが、そこでもバラの花投げながらサム・クック~マーヴィン・ゲイ節全開で歌いまくってました」
S「タイリースの登場は、予想はしてましたが嬉しかったですね! キャリアも長いだけあって歌声はさすがのものでした。欲を言えばふたりで一緒に歌う場面も観たかったのですが。タンクにしてもタイリースにしてもなかなか来日公演が実現しないので(タイリースは映画のプロモーションでは来日してるんですが)、今回観られたのは貴重でした」P1040685
J「このサプライズはEMFならではだよね。確かに主役を食ってましたが、それはタンク自身もはじめから分かってたことなんでしょうね」
「タンク、いろんなところで“TGTをよろしく!”って言っていたので、今度は期待していいんでしょう」
S「僕も一人のファンとしてこの発言は嬉しかったです。そういえば翌日のコンヴェンション・センターではアヴァーントも来てたのですが、タンク、タイリースとも仲良しみたいですね。基本的に男性ソロ・シンガー同士ってみんな仲良しで、男の友情って爽やかだなーって思ったり。女性シンガー同士だとギスギスした感じなのに(笑)」
「何となくわかります(笑)。で、タンクの後半を抜けて行ったのが、ラウンジのティードラ・モーゼス。この人の出演は嬉しい驚きというか、メイバックと契約したからなんでしょうけど(現在は契約を解消)、8年前に出したデビュー作『Complex Simplicity』での“コケティッシュなココ(SWV)”って感じの透き通ったハイ・トーンの美声もほぼ変わりなく、新曲の“Another LuvR”とかを歌ってくれました」
J「僕にとっての2日目のスーパー・ラウンジの目玉は彼女でした。想像していた以上にコケティッシュな魅力を放ってくれていて、好感度は抜群、ライヴを見て分かったことも沢山ありました」
P1040738「雰囲気は何となくケリ・ヒルソンっぽくもありましたが、何かエロいですね(笑)。ルーファス&チャカ・カーン“Hollywood”のカヴァーもたまんなかったです。ミックステープは出してましたが、ちゃんとした新作アルバムにも期待したいです」
J「相当歌い手として熟成されてきた感も強いので、作品集として結構単調だったデビュー作では窺えなかった様々な側面を味わってみたいと思います」
S「ティードラは2曲くらいしか聴けなかったのですが、見た目も艶っぽかったですね。彼女はコンヴェンション・センターには来なかったものの、この日のライヴ直後にサイン会をやってましたよ」


■圧巻だったメアリー・メアリーとレディシ
「ロバート・グラスパー・エキスペリメントのステージにもちょっとだけ寄ったんですが、編成は6月の来日公演と全く同じで、ケイシー・ベンジャミンがヴォコーダーで歌うアレ。本国のステージではビラルとかがゲスト参加するのかと期待してたんですが、どうだったんでしょう」P1040757
S「新作ではゲスト・ヴォーカルも多かったですからね。誰かサプライズで登場しないか期待してたんですが。アルバムにも参加していたレディシは今回のEMFの出演者であり、客演で出てくるかなーと思ったのですが、さすがに今年は自分のメイン・ステージを控えていて出演時間も近かったのでそこまでは厳しかったようですね。結果的にゲスト・ヴォーカルに頼らずにやったステージですが、EMFのようなフェスで彼らみたいなジャンルのアーティストが出演することはすごく良いことだと思います。もちろん座ってお酒でも飲みながら聴ければベストですが」
「ラウンジではリア・ラベルも結構期待してまして。『アメリカン・アイドル』伝説のシーズン3出身とかエリック・ベネイのバック・コーラスやってたという経歴からして興味あったんですが、ファレル制作の“Sexify”が好きで、あのスタイリッシュなダンサーをナマで聴けたのは嬉しかったです。勝手に“ロビン・シックの女性版”とか思ってたんですが、実際はかなりポップス色が強く、R&Bファンの評価はわかれそう。でも、好印象でした」
P1040750S「“Sexify”は僕もすごく好きです。同じくファレル制作の“So Hot”とかも。声に黒さはないですが、日本でリリースしたら人気が出そうな感じですよね。例えばネリー・ファータドともファーギーとも違うキャラですし、クセのない声で聴きやすいかと。個人的には白人版のエステルみたいな印象だったんですけど。L.A.リードやジャーメイン・デュプリも関与してるそうですし、否が応でも注目はしてしまいますよね」
「ナイス分析だと思います。で、その間にメイン・ステージを盛り上げていたのがメアリー・メアリー。個人的な話で恐縮ですが、彼女たちとはダラスからニューオーリンズに向かう飛行機で一緒だったんですよ(笑)。降りたら横を歩いてたので一緒に写真撮ってもらって“絶対観ます!”なんて言ったクセに、結局ラウンジ回りながらチラ見の繰り返しになってしまったという……」
J「このタイミングでは僕はその逆で、メアリー・メアリーにベタづきだったがゆえにリア・ラベルを観逃してるんですよね。しまったなあ。すぐそこだったのに」
S「彼女らに限らず、ゴスペル畑のシンガーはやはり生で聴くのが一番ですね。声量がハンパない!新曲の“Go Get It”ではふたりがお互いにこれでもか!ってくらい声を張り合い、“Walking”や“Shackles”では会場総立ちで大合唱。彼女たちは聴かせることも観客を楽しませることも両方出来てさすがだなって思いました」
「ハニー・コーン・ネタの“Heaven”も最高でしたよ。エリカもティナも圧倒的な声量。ラストは“God In Me”でドッカーン! やはり今の彼女たちはコレなんだと。この時ティナは妊娠中で、VMA 2011で“Love On Top”を歌い終えた時のビヨンセみたいに腹を撫でるポーズで笑いを誘ったりも(笑)」P1040739
Jそうなんですよね。そのドッカーン!を会場で共有したいというのがあって、メアリー・メアリーのような人たちだと、ごく自然にそんな状況が起こることを予感させる何かを与えてくれるんですよね。だから、敢えてベタづきをしてしまったと……。あの会場での信じられないような一体感をEMFに段々と求める体質になってしまってきた感じです
S「彼女たちって日本でもゴスペルの人気もあってか、いつ来日公演してもおかしくないくらいファンが多いと思うんですけど、なんせふたりとも子沢山なので、そういった理由もあってかなかなか来日してくれないんですよね。そういった意味でもこの場で彼女たちの生の歌声を聴けてよかったです」
「この日は前半からガンガンに歌える人が多かったですが、メインに昇格したレディシもさすがでした。それ以上に、10年ほど前はメジャーとは縁のない女性みたいな感じで知る人ぞ知る存在だったのが、メジャー・デビュー後は超満員のラウンジを盛り上げ、去年も自分のショウがないのにゲスト・シンガーとして引っ張りダコだったレディシが遂にメインという。これは感慨深いものがありましたね。レディシも喜びを爆発させるように歌ってた」
S「去年のbmrのリポートを読んでてもレディシのゲスト・シンガーとしての活躍がいかに凄かったかってのが分かります。生まれ故郷のニューオーリンズってこともありメインで歌えたことは本人もさぞ嬉しかったでしょうね。アメリカだけでなく世界各地で、もちろんここ日本にも毎年のように来てライヴをやっているわけですが、僕が知る限りでも彼女って年間のライブ本数が他のアーティストと比べすごく多い気がします。そういった地道な努力が今回のメイン・ステージに繋がったんだなってのを思って感慨深かったですね」
P1040780「メインに行くとラウンジのような一体感はないし、特大ヒットがないせいか、合唱になる曲もほとんどないんだけど、お客さんが盛り上がんないなら私が盛り上げるわっ!って感じで、強引なまでに観客を引き込むあたりがレディシらしいというか、健気で可愛い」
S「“In The Morning”なんかはどちらかというとメインよりもラウンジ向きの曲だったかもしれないですね。でも日本に帰ってきてから、今でも“Pieces Of Me”を聴くとEMFでのレディシを思い出すんです。それくらいこの曲はインパクトがありました」
「確かに。最後にやった“Pieces Of Me”は去年のヒットということもあり、さすがに盛り上がりましたね。見かけによらず(?)繊細な人で、Essence誌の企画で6月に発刊されたばかりのエッセイ集『Better Than Alright: Finding Peace,Love & Power』で“Pieces Of Me”がいかに難産だったかを綴ってましたが、これは彼女にとっても思い入れの深い一曲なのでしょう。ステージからの去り際には、“ようやくメイン・ステージに立てたわーっ!”と叫んでました(笑)」
J「黒人シンガーにとって、ここに到達することが如何に大きな目標なのかを彼女のメイン・ステージへの登場が教えてくれたのは事実で、少なからず彼女のこれまでのプロセスを知っていることで、感慨もありましたね。それにしても、“Pieces Of Me”!」

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Essence Music Festival 2012:Day 1(7/6)

座談会:JAM×SHIROW×林 剛P1040359

【Main Stage】
The Pointer Sisters(6:30PM)
Keyshia Cole(7:30PM)
Trey Songz(8:50PM)
D'Angelo(10:10PM)
Charlie Wilson(11:45PM)


【Super Lounge】
Coca-ColaGary Clark Jr.(7:00PM) Stephanie Mills(8:30PM) Rebirth Brass Band(10:15PM)
McDonald
Khris Royal & Dark Matter(6:45PM) Q.Parker,Super Jay & Greta Prince(7:45PM) Marsha Ambrosius(9:30PM&11:00PM)
Ford
Goapele(7:15PM) SWV(8:45PM&10:15PM)
Verizon Wireless
Vivian Green(7:30PM&9:00PM) Kindred The Family Soul(10:30PM)
※時間は当初の開演予定時間です。


■EMF2012、開幕!
林 剛(以下 林)「Essence Music Festival(EMF)の座談会形式によるリポートです。EMFの概要に関しては僕のブログで序文を書いてますけど、今年は会場の[Louisiana Superdome]が[Mercedes-Benz Superdome]と改名されました。で、今回のEMFのテーマが〈The Power Of Our Voice〉。“私たち(黒人)の声のパワーがどんなものか証明してみせる”といった感じでしょうか。そんなわけでメイン・ステージの一発目はポインター・シスターズ。これが幕開けにふさわしく華やかな、現役バリバリのステージ。“Fire”とか“Slow Hand”とか、曲はポップスっぽくても歌はさすがに濃いです」
P1040379SHIROW(以下S)「僕は今年EMF初参加です。毎年bmrでのリポートをわくわくしながら読んでいたのですが現在休刊中。ならば今年は自分が行こう!と思いまして(笑)。でもまさかこうしてお二人と一緒にリポートできるだなんて思ってなかったので恐縮です(笑)。地元代表ということで最初はポインター・シスターズ(註:出身はカリフォルニア州オークランド)でしたがオープニングから迫力満点でしたよね!そういえばニューオーリンズ滞在中に現地のCDショップもいくつか見て回ってたのですが、どの店もニューオーリンズのアーティストのコーナーみたいなのがあって、もちろんポインター・シスターズのCDも目立つ所に置かれていました。地元愛の強さを感じますよね」
JAM(以下J)「そうなんですよね。お店のディスプレイが物語ってくれていたように、ポインター・シスターズというと、アラン・トゥーサン含みのニューオーリンズ所縁のグループという意識が先行するんだけど、ステージではそのイメージに縛られない80年代に生まれたヒット・チューンの連打という感じで、改めて彼女達のヒット作品の多さを痛感させてもらった感じですね。顔触れの変わったメンバーについてはどう感じられました?」
「恥ずかしながら現在のメンバーをちゃんと把握してなかったんですが、当日出演したのはルースとアニタのポインター姉妹に、ルースの孫娘というサダコ(・ジョンソン)の3人。後で調べてわかったのですが、サダコは85年生まれ。名前と顔つきからすると日本人の血が入っている? まあ、メインでリードをとってたのは青い衣装のルース。彼女が本当に歌えてました。ただ、ニューオーリンズでのフェスなのに“Yes We Can Can”をやらなかったというのは残念でしたが……」P1040374
J「やらないハズはないと思ってたからなあ」
S「サンプリングネタの定番でもある“Yes We Can Can”にしてもそうですが、僕の場合は他のアーティストがサンプリングやカヴァーで歌ってるのを聴いてから彼女達のオリジナルを知ったというケースが多いので、例えば“Fire”を聴いてもいまだにベイビーフェイス&デズリーが歌ってたなーとかっていう印象の方が強かったり。そんなことばかり考えながらライヴを楽しんでましたけど(笑)。それにしてもサダコ(!)そんなに若いんですね。このまま何世代にも渡って歌い続けていって欲しいです」
「ラウンジに移って観たのは、昨年新作『Break Of Dawn』を出したゴアペレ。2006年にヒューストンで臨時開催されたEMFでチラッと観たことがあったのですが、歌も容姿も随分ノーブルになったというか。アメール・ラリューやシャーデーを思わせる美貌と、麗しくも芯のある歌声。少ししか観なかったですが、新作からの曲が中心のようでした」
P1040391S「アメール+シャーデーって表現はものすごくよく分かります。ソウルフルなんですが気品があって独特の世界観がありますよね。このEMFの観客って黒人が9割以上でライブ中もみんなとにかくよく歌うじゃないですか。ステージで歌ってるアーティストの声が聴こえないくらいに(笑)。でもゴアペレに関してはいい意味で観客も聴き入ってましたよね」
「ヴィヴィアン・グリーンもちょっとだけ。前半3曲を観ただけなんですが、2年前に観た時と比べて劇的に成長してるというか、芯の太さも加わって貫禄が付いたという印象です。“Fanatic”でグイグイ引き寄せる歌とか、もの凄いグルーヴ感で引き込まれました」
S「ヴィヴィアンは見た目もすごく綺麗でしたし、本当に堂々としたパフォーマンスでしたね。僕もヴィヴィアンは2曲くらいでした。本来ならもっとゆっくり観たいんですが、次から次へとステージを移動しながら観ていたので。あまりに出演者が豪華すぎるがためにこうなってしまうのもEMFですね(泣)」P1040404
「僕は観られなかったんですが、ブライアン・カルバートソンの新作『Dreams』で歌っていた“Still Here”もやったようで、そこでブライアンも登場したらしいです。観たかったなぁ」




■トレイ・ソングスを観逃しても…
「そして、メインのキーシャ・コール。僕が席に着いた時はソウル・クラシックス・タイムで、アイズレー・ブラザーズ、メイズ、ローズ・ロイズの3連発で会場大合唱。最近ライヴで歌っていると噂になってましたが、ローズ・ロイズの“I'm Goin' Down”はホントにやるんだ、と(笑)。明日メアリー・J・ブライジ(MJB)も絶対やるのに。で、その後に“I Remember”がきて、客席大合唱。どうすればEMFのお客さんが喜ぶのか、彼女はよくわかっているなと思いました。もちろん“Love”も大合唱です」
S「“I'm Goin' Down”歌いましたねー! どうしてもメアリーと比較されがちですが、キーシャは彼女なりの地位を確立してるんだってのが今回の彼女のステージを観て改めて思いました。“I Remember”にしても“Love”にしてもこうやって大合唱できるバラードがあるのは大きな魅力ですよね」
P1040412J「僕はポインター・シスターズからキーシャ・コールまではメインに完全ステイ。キーシャ・コールは特にステージに現れた時のドームに流れるムードを体感したかったというのがあったんですが、これはもう数年前の彼女とは比べ物にならないくらいデカくなりました。“I’m Goin’Down”も完全に板につきましたね。更にEMFらしい歌い手になった印象です」
「残念ながら僕は中盤だけ見て席を立っちゃったんですが、どことなく悲しげなオーラを身に包んでガムシャラに歌う感じは15年くらい前のMJBを彷彿させます」
S「今回EMFの三日目の出演者の中にイヴがいたわけですが、キーシャのステージに飛び入りで来て“Never”を一緒に歌うなんてことはなかったですね。ソウル・クラシックを歌った流れで歌って欲しかったのですが。ちなみにイヴは二日目のメアリーのステージに登場して“Not Today”をやるなんてこともなく、同じ会場のフェスとはいえ、なかなかそういうサプライズはないんだなーってのは思いました」
「ラウンジでは、昨年〈Essence R&B Star〉で優勝したグレタ・プリンス、スーパー・ジェイ、そしてQ・パーカーの3者ワンセットのライヴ。僕はスーパー・ジェイから観たんですが、シングルで聴けてたニーヨ風情はさほどなく、結構ディープに歌い込んでいたのが印象的でしたね。元112のQ・パーカーは3者の中では当然ながらさすがの貫録。ソロ曲の“Show You How”なんかを熱唱してましたね。あと“ひとり112”も。“Only You”で観客にビギーのパートをラップさせて歌ってみたり、“You Already Know”をセクシーに歌ったり。そこそこ黄色い声も飛んでたような」P1040438
S「その中ではスーパー・ジェイだけ観れたのですが、ライヴだと想像したよりアツい歌声で好印象でした。Q・パーカーは全く観られなかったので観た人から後で話を聴いたんですが“ひとり112”ってのは聴きたかったです!数年前の112の来日公演は観に行ったのですが、Qはやたら脱いで肉体美を披露してた記憶が(笑)。余談ですがQはソロでカレンダーもリリースしてるんですよね。あれ売れてるんでしょうかねー(笑)」
「今年も出しますよね(笑)。で、ラウンジでは2年連続となるステファニー・ミルズもあったんですが、翌日観ることにして僕はとりあえずパス。メインのトレイ・ソングスも、ここ数年毎年出てるんでパスしちゃったのですが、どうでした?」
S「僕はステファニーを1日目に観て2日目はパスしたんですけど、出来れば2日連続で観たいくらいのクオリティでした。もう、とにかく声がよく通るのなんのって!やはりその実力もあってかラウンジのお客さんもどんどん増えてきてパンパンになったのでかなり後ろから観てました。トレイはメインとラウンジとを移動しながら何曲かはちょっとずつ聴けてたっていう程度です。トレイのステージが悪いわけではないですが、それ以上にラウンジのアーティストが観たかったですし、トレイはまた来日しそうですしね。腰を振ったりレディへのサービスもたっぷりで、若い女の子の黄色い声援の多さではこの三日間のアーティストでナンバーワンだったと思います」
J「個人的にはラウンジの目玉にしていたのが彼女(ステファニー)で、ステージに登場する前に発した一節でもう完全に持っていかれてしまいました。当然分かっているハズの、あの“声”がスーっと場内に伝わってきただけで、もう生理反応的な雄叫び状態です。そんなの当たり前だろ! と言われてしまうかもしれませんが、透明度の高い澄みきったあの声、彼女にしか響かせられないあの声、まさにOnly One Voice、それがその通りに聴こえてきてくれる喜びを感じさせてもらったという感じで心底幸せな心持でした。曲では“Secret Lady”かな。“You Can't Run From My Love”もサイコーでした。で、メインのトレイ・ソングスに戻ったら、丁度はだけるタイミングで、館内に女子の大絶叫。これは席には戻れません(笑)。因みに、ほとんど見逃したに近いです」
P1040462「トレイを観逃しても、EMFで観ておきたかったのがSWV。いや、これはもう予想通りラウンジ超満員、過去のヒットから新作『I Missed Us』の曲まで、ほぼ全曲が観客大合唱という…。ココの歌はパキーンと会場に響きわたるわけですが、それでもお客さんが歌っちゃって3人も感激と困惑の表情(笑)」
S「僕もSWVは昨年観たからガマンしようかなーとか思いつつ、やっぱり観たくて。新作からの曲以外は来日公演の時とセットリストはそんなに変わらないんですが、日本で観るのと明らかに違うのはお客さんのノリ。“Weak”や“Rain”など、なんせヒット曲が多いわけですけど、サビだけじゃなくAメロから曲の最後までフルで観客みんなで大合唱。この楽しさはEMFに来ないと体験できないです!」
「新作からの“Co-Sign”とか“Do Ya”の反応もよかったですね。あとはパティ・ラベルの“If Only You Knew”での大合唱は想像してましたが、ターゲット盤と日本盤のみに収録されてたスウィッチの“There'll Never Be”まで皆が歌えちゃうってのが何とも。彼女たちもブリッジの部分を女性、男性に分けて合唱させたり……パフォーマーと客が一体になったライヴの典型というか。あと、ライヴを観るとリリーのアルト・ヴォイスが重要な要素になってるなということも改めて実感したり。そして、ラウンジではマーシャ・アンブロウジアスも観ました。ソロでは初登場です。新作『Late Nights & Early Mornings』のタイトル曲をソプラノ・ヴォイスで熱唱したり、“Hope She Cheats On You (With A Basketball Player) ”を客席の合唱とともにラップを交えて歌ったりしてくれたのも相当良かったんですが、やっぱりこの人は歌でもっていきます」
S「マーシャは一日に2ステージやったわけですが、二回とも観られたんです。でもタイミングが悪かったのか二回とも前半しか観られなかったので、“Say Yes”とか“Far Away"とか聴きたかった曲が聴けなくて(泣)」P1040500
「僕が唸ったのは、新作で一番好きだったマイケル・ジャクソン風の“I Want You To Stay”をやって、その次にMJ(とフロエトリー)の“Butterflies”、さらにその次にMJの“I Can't Help It”を歌って、徐々にマイケルの曲に遡っていって種明かしをしてくれたところです。やっぱりそうだったんだ、と。MJトリビュートですよね。心残りなのは新曲“Friends & Lovers”を聴き逃したこと。せっかくやるって予告してくれてたのに、メインのディアンジェロが気になって……」
S「ツイッターなどでも“新曲も歌うわよ!”って宣言してましたもんね。“Friends & Lovers”はワンコーラスだけ歌ってくれて“こんな感じの曲なんだけどどう?!”みたいなことを言ってました。終始トークも交えながら楽しい雰囲気でライヴをやっていて、これもまたラウンジならではの醍醐味ですよね。ピアノ弾き語りもよかったですし、彼女は元フロエトリーだなんて肩書きがいらないくらい一人のアーティストとして完成されてるなってのを実感しました」

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Luther Vandross 1951-2005

Luther昨晩観たキャンディ・ステイトンのライヴ(6/30、ビルボードライブ東京)が素晴らしかったので、そのことについても書いておきたいのだけど、7月1日といえばルーサー・ヴァンドロスの命日。彼がこの世を去ってから7年が経つが、“あの日”のことを僕はよく憶えている…というか、これからもずっと忘れない。今回はCDの紹介ではなく思い出話です。一応ジャケットを掲載したCDについても簡単に触れておくと、これは今年出たルーサーの編集盤。『Hidden Gems』と銘打たれているようにルーサーの隠れ名曲を集めたベストで、エピック~ヴァージン~J・レコーズと、レーベルを跨いでの選曲が売りのようだが、何となくポップス・サイドから見たルーサー名曲という感じなので評価は分かれるかもしれない。というわけで、以下は“あの日”のお話。

2005年7月1日、僕は初めてのEssence Music Festival(EMF)観戦のためニューオーリンズにいた。EMFの開演は夜7時からだったが、その日は初めてということもあって、早めに準備を済ませてホテルの部屋でゴロゴロしていた。で、現地に到着してからBGM代わりにしていた地元のR&B専門ラジオ局WYLD-FMにチューニングを合わせると、何故かルーサー・ヴァンドロスの曲ばかりが流れている。ん?と思っていたら、女性DJの口から「Luther Vandross has passed away...」と。2003年に脳卒中で倒れて入院していたものの回復していると言われていたので安心していたのだが…ルーサーは帰らぬ人となってしまった。まさにEMFのアイコンとも言えたルーサーが、よりによってEMF初日に亡くなるなんて。そして。“So Amazing”が何度も流れるラジオを消してテレビをつけると、ニュース番組はルーサーの訃報に続いてフォー・トップスのレナルド・オービー・ベンソンの訃報を伝えた。ルーサーとオービーが同じ日に? そういえばEMF初日のトリはアレサ・フランクリン。ルーサーはアレサをプロデュースし、オービーはそのルーサーが手掛けた『Jump To It』(82年)収録曲“I Wanna Make It Up To You”にフォー・トップスの一員として客演している…。すぐにそのことに気付いた僕は、その晩に行われるアレサのステージを勝手に心配し始めていた。アレサ、大丈夫かな?と。

初めてのEMFは、当時bmr編集部にいた金子穂積さんとの男二人旅。R・ケリーやカニエ・ウェストで盛り上がるシカゴに(自費で)取材に行こうということになり、金子さんが「せっかくならニューオーリンズに寄ってEMFを観てみたいんですけど…」と口にしたことから急遽決まったEMF行きだった。確か航空券も現地のホテルも旅行の3週間前くらいに予約したんだと思う。ホテルは(超高級ホテル以外)一つしか空いていなかった安ホテルの部屋を何とか確保するという計画性のなさ(笑)。ニューオーリンズには学生時代アメリカを一人旅した時に訪れたことがあったので土地勘はあったが、EMFに関しては、フェスの存在は知っていたものの情報がなく、何をどうしたらいいのかさっぱりわからなかった。当時僕の周囲では誰も行ったことがなく(後になって松尾潔さんが初回の95年から2004年まで何度か足を運ばれていたことを知るのだが)、実際に会場入りするまで謎だらけで、まさに手探り状態。今でこそ、bmr誌に7年連続で座談会形式のリポートを掲載したこともあって、すっかり有名になったEMFだけど、2004年まではほとんど騒がれていなかったのだ。そういう意味では金子さんが言い出したお蔭なのかしれない。あのリポート掲載後、日本から行かれる方も増えたと聞く。

DSC00057で、初日の7/1。初EMFへの期待と無事に会場に入れるのかという不安、そしてルーサー&オービー死去のショックとが相まって妙な昂揚感が生まれ、会場までドキドキしながら足を運んだことを思い出す。…結果から言うと初日はルーサー追悼一色だった。なにしろメイン・ステージの一発目は、デビュー作で(ルーサー版を意識した)“Superstar”を歌っていたルーベン・スタッダード。おそらく訃報を聞く前からセットリストに組み込んでいたのだろう“Superstar”に加え、“Never Too Much”“So Amazing”を歌って最後には涙ぐんでしまったルーベンを僕は忘れることができない。その後も会場のスクリーンにたびたびルーサーの写真が映され、何だか大変な時に大変な場所に来てしまったような気持ちに。そして初日のトリを飾ったアレサ・フランクリン。僕の心配をよそに、やたら明るいアレサに拍子抜けしたが、スクリーンにルーサーの写真が映るなかでルーサーがプロデュースを手掛けた“Get It Right”を歌い、その後「今日は私の大切な友人を二人同時に亡くしてしまいました」と言ってゴスペル曲を熱唱する姿には、さすがに目頭が熱くなった。

翌日もルーサー追悼ムードは続き、あちこちのステージでトリビュートが行われた。とりわけ個人的に印象に残っているのはフロエトリーが歌った“A House Is Not A Home”。マーシャ・アンブロウジアスが♪A chair is still a chairと歌い始めると、ラウンジ(小さい会場)にいた観客の全員という全員が♪Even when there’s no one sitting thereと続き、その後はフロエトリーの二人と皆で最後まで大合唱。全身に鳥肌が立った…というか、その場にいたほぼ全員が歌詞を覚えている上にルーサー独特のフレージングまで真似ちゃったりして、ワケわからず日本から来た自分は頭ポカーン状態。つまり、それくらいブラック・コミュニティにはルーサーの音楽が根付いているのだ…と以前から聞いていた話ではあったけど、こうしてその現場に居合わせ、直接肌で感じ取った体験は、どこの誰にどんな話を聞くよりも説得力があった。2009年、開催1週間前にマイケル・ジャクソンが亡くなった時のEMFでもトリビュートが行われたが、ルーサーは他界直後ということで、会場は異様な空気に包まれていた。でも、しんみりした感じはなく、むしろ皆さん楽しげ。ここらへんがまたEMFのいいところなんだな。

ハリケーン・カトリーナがニューオーリンズの街を襲ったのは、その約2ヵ月後のことだった。翌年のEMFは、会場のルイジアナ・スーパードーム(現在は「メルセデス・ベンツ・スーパードーム」と改名)修復のため、ヒューストンで臨時開催。2007年から再びニューオーリンズに戻っての開催となったのだが、その時僕は、諸々条件が整えば毎年行こうと決めた。“お金を落としに行く”という言い方は何だか品がなくて好きではないけど、現地で消費税を払って(ルイジアナ州の消費税は高いので)それが復興の一助になるのなら、それもひとつのチャリティではないかと。…そして、今年も何とか行けることになった。今週末から始まるEMF 2012。今年はアレサ・フランクリンも、ルーサーが亡くなった“あの日”以来、7年ぶりに出演する。未だ日本にやってこない女王様だけに絶対に見逃せないステージ。R・E・S・P・E・C・Tの気持ちで、その姿を拝んできたい。また、ディアンジェロの出演も決定していて、全米では10年ぶりとなる本格的なライヴということもあって各所で話題になっている。その他の出演者も近年稀に見る豪華さで、行く前からもうクラクラ。いつもはヒップホップ・アクトも数組出演するEMFだけど、〈The Power of Our Voice〉というテーマを掲げた今年は、毎年恒例の地元ブラスバンド以外、出演者はほぼR&Bアーティストで固められている。しかも滅法歌えるシンガーばかり。ルーサー亡き後もR&Bスターはちゃんと存在しているのだ。

今年は僕の周囲だけでも日本から多くのR&Bファンが参加予定。というわけで帰国後にはライヴ・リポートを…といきたいところだが、今年はbmr誌が休刊中のため同誌での座談会形式のリポートはナシ。当然ながらリポートの依頼もないわけだけど、記録は残しておきたいので、必ずどこかでやるつもりだ(本ブログで?!)。もっとも、EMFにはライヴ・リポートを書くために行っているわけではなく、あくまで現地のあの雰囲気を体感することが目的。せっかく今年も行けることになったのだから、思いっきり楽しんできたい。無事観戦を終え、帰国できたら諸々ご報告します。



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